YouTubeやTikTok、Instagramなど、どんなSNS動画でも「最初の数秒」で勝負が決まる――。
それは再生回数ではなく、“視聴維持率（Retention Rate）”という本質的な評価指標に直結するからです。
この記事では、2025年の動画プラットフォーム環境において、視聴維持率を高めるために有効な3つの心理トリガーを紹介します。
心理学の理論に基づき、具体的な構成例とあわせて解説することで、すぐに実践可能な内容にしています。
1. カリギュラ効果｜あえて言わないことで惹きつける
カリギュラ効果とは、「禁止されるほど見たくなる」という心理現象。
動画では、あえて情報を曖昧にしたり“まだ言わない”構成にすることで、視聴者の好奇心を刺激します。
活用例：
- 冒頭で：「この話、最後まで見るとヤバいことになります」
- サムネで：「絶対に言えない裏話」など、曖昧表現を使う
- トピック導入前に：「それはちょっと後で話します」
効果：
- 視聴者に「続きが気になる」という状態を生む
- 離脱を防ぎ、再生時間が自然と伸びる
2. ツァイガルニク効果｜“話の途中”で引っ張る
ツァイガルニク効果は、「完了していない情報ほど記憶に残る」という心理効果です。
動画構成では「途中で区切って、次に繋げる」「前半で疑問を提示し、後半で回収する」といった分割構成が有効です。
活用例：
- 「まず1つ目のポイント…の前に、ちょっと考えてください」
- 「〇〇の秘密は…実はこの後に続きます」
- 動画タイトル：「〇〇の方法を実演してみた【結末は…】」
効果：
- “区切り”によって離脱を防ぎ、視聴完了率が上昇
- シリーズ動画にも応用できる
3. タイムプログレッション法｜「時間の見える化」で安心感を与える
タイムプログレッション法は心理学用語ではありませんが、
近年のYouTubeマーケティングで注目されている再生時間の“見せ方”に関するテクニックです。
活用例：
- 「今から3分でわかる〇〇」
- 「あと60秒で結論を話します」
- 再生バー上に区切りテロップ（導入→本題→結論 など）を表示
効果：
- 視聴者が「先が見える」と感じることで離脱率が低下
- 「あと少し見れば終わる」と感じさせることで、完走率が向上
4. 応用：3つのトリガーを組み合わせる動画構成例
| 導入（0〜5秒） | 本編（6〜45秒） | 終盤（46〜60秒） |
|---|---|---|
| 「〇〇の裏技、絶対に誰にも言わないでください（カリギュラ）」 | 「実はこの方法、3ステップあるんですが…（ツァイガルニク）」 「まず1つ目は…」 | 「あと15秒で全部まとめます（タイムプログレッション）」 「まとめ：〇〇〇」 |
5. 注意点：過剰な引き延ばしは逆効果
- 視聴者は“目的意識”を持って動画を見ているため、引き延ばしすぎると離脱に直結します
- カリギュラやツァイガルニクを使う際も、「見せない」ではなく「見せ方を調整する」という意識で使うことが重要です
著者情報
中丸 菊一
動画構成・編集歴40年。心理学と映像表現を組み合わせ、YouTube・TikTokなどで視聴維持率を高める手法に精通。ブログ「MARUYA328」で動画制作の裏技を発信中。
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