「“フリー素材”って書いてあるけど、本当に商用利用しても大丈夫?」
そんな疑問を感じたことはありませんか?
音楽・画像・イラスト・映像など、ネット上で使える素材にはさまざまなライセンス形態があります。
中でもよく見かけるのが「著作権フリー」「ロイヤリティフリー」「パブリックドメイン」。
この3つの違いを正しく理解することが、安心して素材を使う第一歩です。
1. 著作権フリーとは?
- 実際には「著作権が消滅している」わけではありません。
- 著作権者が一定の条件で「自由な利用を許可」している状態。
- 利用規約や範囲は制作者やサイトによって異なります。
🔹 例:DOVA-SYNDROME、甘茶の音楽工房など
2. ロイヤリティフリーとは?
- 「一度料金を支払えば、その後の使用回数に制限がない」ライセンス形態。
- 使用範囲(商用・非商用)、再配布、クレジット表記などはライセンス契約に準ずる。
- サブスクリプションや有料購入が多い。
🔹 例:Artlist、PIXTA、Adobe Stockなど
3. パブリックドメインとは?
- 著作権が完全に消滅した、または最初から存在しない素材のこと。
- 誰でも自由に利用・加工・配布できる。商用利用も原則自由。
- 日本では著作権の保護期間が「著作者の死後70年」で満了する。
🔹 例:ベートーヴェンの楽譜、明治以前の浮世絵、Pixabayの一部画像
4. 違いを比較表で整理
比較項目 | 著作権フリー | ロイヤリティフリー | パブリックドメイン |
---|---|---|---|
著作権の有無 | ある(許可制) | ある(契約制) | なし |
利用料 | 無料が多い | 有料/サブスク | 完全無料 |
商用利用 | 要確認 | ライセンス次第 | 原則OK |
再配布 | 多くはNG | 契約によりNG | OK(条件なし) |
クレジット表記 | 要求される場合あり | 多くは不要 | 不要 |
5. 利用前に必ず確認すべきポイント
✅ 商用利用OKか?
✅ クレジット表記は必要か?
✅ 再配布・加工は可能か?
✅ 解約後の利用条件(ロイヤリティフリーの場合)
6. トラブルを避けるためのアドバイス
- 「フリー」と書いてあっても、必ず利用規約やライセンス契約書を確認しましょう。
- 「パブリックドメイン」もサイトによって定義が異なる場合があるため、出典が明確な素材を使うのが安全です。
- 信頼できる素材サイト(文化庁/JASRAC非管理音源など)を活用するのがおすすめです。
FAQ(よくある質問)
Q. パブリックドメインは加工して販売してもいいの?
→ 原則OKです。ただし、第三者が権利を主張していないかは確認が必要です。
Q. ロイヤリティフリー音源をYouTubeで使ってもいい?
→ 契約内容によります。収益化可能かどうかも事前にチェックしましょう。
Q. 著作権フリーのBGMをSNSで使うとき注意点は?
→ クレジット表記や商用不可の可能性があるので、利用規約を確認しましょう。
著者情報
中丸 菊一
映像・音楽制作歴40年。著作権関連の指導・執筆も行い、動画クリエイター向けに安全な素材利用を解説するブログ「Momopla」を運営中。
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